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防犯アドバイザー京師美佳の「お・宅・訪・問 防犯診断」 側面と裏庭には死角がいっぱい

第2回奈良県 Tさま宅

犯罪者にとって居心地の悪い環境をつくろう! その2 側面と裏庭には死角がいっぱい
奈良県 Tさま宅 奈良県 Tさま宅

外壁はリフォームされており、防犯上の環境は良好

今回の診断は、奈良県にお住まいのファミリーからの依頼です。お住まいになっている物件は築15年。外壁は2~3年前にリフォームされた為、築年数より新しく見えます。泥棒の多くは、築25年以上の物件を狙う為、古民家狙いの泥棒からの狙いは外れると思います。また、ご近所付き合いも出来ており、防犯上の環境は良好。ただ、隣家は週一回程しか帰宅しない、セカンドハウス的な使い方になっているので空家同然です。この点は、犯罪者には好条件であり狙われる可能性が高くなります。

立地は閑静な住宅街で、前の家とは玄関が向かい合わせになっており、人目にもつきます。玄関ドアからの侵入は考えにくく、車庫には手動のフェンスがついており、閉じてあれば区画性もしっかりしているので、窃盗犯の侵入意欲を失せてしまうと思われます。

手動のフェンスは侵入意欲を失させる

車庫には「センサーライト」が設置

また、車庫には「センサーライト」も設置されており、車泥棒なども狙いにくい作りになっています。残る可能性としては、車庫の屋根から2階の窓へ侵入すること。ただ、もっと容易にできそうな侵入口が他に多くある為、2階の窓への対策は「窓センサー」の設置くらいで十分だと考えられます。

前面道路から見える窓に関しても、「鉄製の面格子」が設置されており、“ねじ山も潰されている”など防犯意識の高さを伺える作りになっています。つまり、下見にきた泥棒に対して、有効な対策がなされていると言えます。

窓には「鉄製の面格子」を設置

“ねじ山も潰され”ており、防犯意識の高さが伺える

ただ、道路の広さに対して街灯の照度が低く、足りていない様に思えます。従って、個別に「玄関灯」や「センサーライト」を設置し、玄関周りを明るくする事も必要だと思います。

街灯の照度が低く、玄関周りを明るくする事が必要

ダブル錠になっているが、「防犯ガラス」などで強化も必要

玄関は、見通しもよく「ダブル錠」になっており、玄関を破壊しての侵入は可能性としては低いと思われますが、玄関ドアに明かり窓のガラスが入っており、また「防犯ガラス」ではない為、全く可能性がないわけではありません。「防犯ガラス」や「防犯フィルム」、また「ホームセキュリティ」などで強化する事も必要ではないでしょうか。

このお宅の問題点は、侵入経路となり得る側面と裏庭です。玄関まわりの見通しの良さとは逆で、横の通路に侵入すると照明もないので暗く、全く人目に付きません。これは、犯罪者に好まれる環境と言えます。

侵入経路となり得る側面

照明もないので人目に付かない

裏のお庭に至っては暗く、庭木がある為に死角がいっぱい。その上、バーベキューなどをお庭で楽しむ為のテントもあり、隣家の2階などから、潜んでいる不審者を発見してもらうことは難しいと考えられます。まずは、「センサーライト」を設置して明るくすることや、出来るだけ死角になる場所を少なくする為に、まめな植木の剪定も必要です。

何故なら、この物件で侵入口として一番考えられるのが、お庭に面している掃き出し窓なんです。だから、「防犯ガラス」に交換し「窓センサー」を設置する事が望ましいと思います。

裏のお庭。庭木がある為に死角がいっぱい

雨樋から侵入の可能性も。2階の防犯も重要

また、裏庭側にあるベランダに関しては、雨樋がベランダに沿って設置されているので、よじ登っての侵入が可能。2階の窓は閉め忘れも多く狙われやすいので、戸締りを心がける事は勿論ですが、施錠忘れの事も考え「窓センサー」を設置することをおすすめします。出来れば、2階のガラス面を強化する事も考えても良いと思います。

とにかく、侵入される可能性が高いのは、裏の窓です。だから、窓周りの強化が重要なポイントとなります。「センサーライト」で庭を明るくして犯罪者が居心地の悪い環境をつくり、「防犯ガラス」や「防犯フィルム」などでしっかりと窓周りの強化を図る事。更に、「窓センサー」や「ガラスセンサー」などの警備システムで強化することが必要です。

侵入被害に遭った方の多くは、盗難被害に遭った悔しさよりも、わけのわからない人間に家の中をウロウロされたという恐怖感、嫌悪感に襲われ苦しみ、その後、引っ越しをされる方も多く見られます。購入した家ではそう簡単に引っ越すことも出来ず、長年その想いに苦しむ方もいます。そうならない為にも、関電SOSのホームセキュリティを導入するなどして、備え防ぐことが大切です。

- 京師美佳プロフィール -

京師美佳

2001年錠前師資格取得。町の鍵屋さんではなく、トータル防犯アドバイザーを目指し、セキュリティ企業へ就職。法人営業部の責任者を務める中、2002年防犯設備士取得。その後は、防犯ガラスメーカーに勤め、セキュリティ事業部長、そして、防犯アドバイザーとして、防犯診断や電話での相談受付、セミナーなど、幅広く活動を行う。 2005年独立。京師美佳セキュア・アーキテクトを設立し、テレビ・新聞・雑誌など、多方面で現在も防犯の啓蒙活動を展開中。

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